暫定首相にサヌ現最高裁判所長官が就任
ギリシャのパブロプロス大統領は8月28日、議会を解散し、9月20日に総選挙を実施するとの大統領令に署名した。フォークス誌オンライン版が同日、報じた。
それに先立つ27日、総選挙までの臨時政権を率いる暫定首相にバシリキ・サヌ現最高裁判所長官が就任。総選挙を経て次期政権が樹立されるまで国政を担当する暫定政権が28日に発足した。サヌ氏は同国初の女性首相となった。
財務相には、これまで債権団とテクニカルな交渉を主導してきたGeorge Chouliarakis氏が、外相には、ベテラン外交官のペトロス・モリヴィアティス氏が就くこととなった。
チプラス前首相、返り咲きなるか?
総選挙では8月20日に辞任したチプラス前首相が求心力を回復し、首相への返り咲きを目指す。
だが、左翼系地元紙が28日付で発表した最新の世論調査によると、チプラス氏率いる急進左派連合(SYRIZA)の支持率は23%。総選挙で絶対多数を獲得する可能性が低いことを示している。一方、中道右派の新民主主義党の支持率は19.5%で、急進左派連合に急追している。
国民の4人に1人は「わからない」と回答
移民排斥を訴える極右政党・黄金の夜明けは6.5%で第3党の可能性が。続いて、ギリシャ共産党(KKE)が5%、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が4.5%、ポタミが4%。急進左翼から離党したラファザニス元エネルギー相率いる人民統一党は3.5%で7位だった。
ただ、国民の4人に1人(25.5%)は、「わからない」と回答し、最も多かった。
もし、総選挙で急進左派連合が勝利したとしても、問題はどの政党と連立を組むかである。欧州の政治家らは、同党が勝利することを望んでいるが、連立パートナーには穏健な政党を望んでいる。果たして、ギリシャ国民は欧州の望み通りの政党を選択するかどうか、今後の展開は波乱含みだ。
ギリシャ共和国首相府 ホームページ
http://www.primeminister.gr/フォークス誌:Übergangsregierung in Athen vereidigt - viele Wähler unentschlossen
http://www.focus.de/politik/ausland/4909092.html