無所属のレーカー氏が当選
ドイツ・ケルンで18日、市長選が行われた。開票の結果、無所属の候補者、ヘンリエッテ・レーカー氏が得票率52.66%を獲得し、勝利した。2位の社会民主党(SPD)、ヨッヘン・オット氏と20%の差をつけての当選だ。ツァイト誌オンライン版などドイツメディアが19日、報じた。
レーカー氏は選挙の前日17日、選挙運動中に男に襲われ首や腹を刺され、重傷を負った。負傷者は合わせて5人。現場で逮捕された襲撃犯は44歳の無職の男で、ケルン警察によると「人種差別的」な動機からレーカー氏を襲ったとされる。
レーカー氏の勝利が確実となったとき、同氏はまだ医学的昏睡状態に置かれていた。現在は昏睡から解かれ、集中治療室にいる。いつ退院できるかは不明だが、容体は快方に向かっているという。
難民・移民の統合を目指して
レーカー氏は無所属で立候補していたが、キリスト教民主同盟(CDU)や自由民主党(FPD)、緑の党(Grüne)の3党からの支援を受けた。
同氏は、2010年からケルンの社会福祉局で難民・移民関連の統合責任者として従事。選挙キャンペーンにおいて、「新たに到着する難民のために宿泊施設を提供すること」「難民が新しい環境に適応すること」を訴えていた。
市は昨年、レーカー氏の主導により、難民受け入れ施設としてかつての4つ星ホテルを580万ユーロで購入。このことは多くの市民の反感を買ったようだ。
レーカー氏を襲ったフランク・S容疑者は、右翼過激主義の背景を持つ、現在では禁止されている「国家自由主義労働者党(Die nationalistische Freiheitliche Arbeiter Partei)」の党員であることが分かった。
(画像はケルン市 公式サイトより)
ケルン市 公式サイト:Henriette Reker ist Kölns neue Oberbürgermeisterin
http://www.koeln.de/koeln/963065.htmlZeit Online:Wahlsieg auf der Intensivstation
http://www.zeit.de/politik/deutschland/2015-10/