ナイトクラブの火災をきっかけに
ルーマニアのヴィクトル・ポンタ首相が4日、辞任を表明した。ポンタ首相の辞任とともに内閣も総辞職する。
辞任に至ったきっかけは10月30日、首都ブカレストで発生したナイトクラブの火災。この火災で32人が死亡した。火災をきっかけに、ポンタ政権の退陣を求めるデモが激化、3日夜には首相や内相、ブカレスト市長の辞職を求める約2万人のデモが起きた。
ブカレスト市内でおこったデモでは、「汚職が殺した」と書かれたプラカードを持った人々が、「人殺し」と叫びながら抗議した。
ポンタ氏は、首相就任前の弁護士時代に、文書偽造やマネーロンダリング、脱税に関与した罪で今年7月に起訴されており、以前から辞任圧力が高まっていた。
ポンタ首相「国民が満足することに期待する」
ポンタ首相は「国民の怒りを感じる」として、「私は政敵とたたかうことには慣れているが、国民とたたかうことは絶対にしない。内閣総辞職で国民が満足することに期待する」とコメント。
続けて、「火災の責任を市長や内相らに押し付けることは正しいとは思わない」と発言、「私はその責任を負う準備はできている。」と辞任に対する覚悟を語った。
首相辞任を受けて、ヨハニス大統領は新首相指名および新政府形成について各政党と協議を始める。今回の事態で総選挙が実施される可能性はないとみられる。次の総選挙は2016年12月に行われる予定。
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