ティンチョー氏が新大統領に
ミャンマー国会で15日、与党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏(70)の側近、ティンチョー氏(69)が新大統領に選出された。初の民間出身大統領の誕生だ。欧州のメディアが15日、報じた。
ティンチョー氏は国会での投票で、652票のうち360票を獲得。軍部が候補に立てた元中将でヤンゴン管区首相のミンスエ氏(64)は213票、NLDの国会議員で少数民族チン族のヘンリーバンティーユ氏(57)は79票を得た。両者は、それぞれ第1、第2副大統領に就任する。
これにより、数十年間におよんだミャンマーの軍政は正式に幕を閉じることとなった。新政府は4月1に形成される予定。新閣僚は大統領が任命するが、軍は議席の25%を保持しており、内務、国防、国境の主要3閣僚は国軍最高司令官に指名権がある。
ティンチョー氏とミンスエ氏
スーチー氏には外国籍の息子が2人いるため、軍政下で制定された憲法の規定で大統領にはなれない。そこで、スーチー氏の高校の同級生で、スーチー氏が母の名を冠して設立した慈善団体の幹部を務めるティンチョー氏が大統領候補に擁立された。スーチー氏は「大統領の上に立つ」と公言している。
ティンチョー氏は、政治家としての経験は全くないが、ミャンマーでは非常に名が知られている。ティンチョー氏の父親は、有名な詩人のミン・トゥ・ウン元NLD議員で、妻のス・ス・ルウィンはNLD議員で、彼女の父親はNLD創設者のひとりである。
第1副大統領に就くミンスエ氏は、大統領が辞職、死亡した場合などに一時的に大統領代理となる。ミンスエ氏は軍政期に長期独裁を担ったタンシュエ氏のシークレットサービスとして恐れられていた。また昨年、ヤンゴンで起こった学生によるデモで、デモ隊に残忍な暴行を加えさせた責任者がミンスエ氏であった。
さらに、同氏は、米国のブラックリストにも名前が載っているという。
Die Welt:Erstmals seit Jahrzehnten ziviler Präsident in Myanmar gewählt
http://www.welt.de/newsticker/news1/article153299203/BBC News:Myanmar elects Htin Kyaw as first civilian president in decades
http://www.bbc.com/news/world-asia-35808921