プーチン批判ソングで禁固2年
ロシアの女性パンクバンド
「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」への判決は、批判と憤りを呼び起こしている。ヴェルト誌オンライン版が19日、報じた。
モスクワの裁判所は17日、ロシア正教会の大聖堂でプーチン大統領を批判する歌を演奏し、フーリガン行為の罪によりバンドのメンバー3人に対し、禁錮2年の実刑判決を言い渡した。
判決の17日、裁判所前では、数百人の支持者がプロセスに抗議し、警察は十数人を逮捕。その中には、元チェスの世界チャンピオンのギャリー・カスパロフ(Garri Kasparow)氏や共産主義青年運動「左翼戦線」のリーダー、セルゲイ・ウダルツォフ(Sergej Udalzow)氏がいた。
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Grüne Bundestagsfraktion民主主義と表現の自由の侮辱
ロンドンでも、多くのプッシー・ライオット支持者がロシア大使館前に集まり、
「判決は、恥であり、自由な民主主義と表現の自由への侮辱」であることを理由に抗議行動を行った。
ドイツでもギド・ヴェスターヴェレ外相が
「2年の禁固刑は重過ぎる。判決は威圧のシグナル。」
と批判し、ドイツ政府の人権弁務官のマークス・レニング氏は、
「2014年のソチ冬季オリンピックや2018年のサッカーワールドカップをプーチン大統領のプロパガンダ・ショーにしてはいけない。」
と警告した。
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Twitter/Free Pussy Riot一方で、多くのモスクワ市民の中には、
「彼女らのしたことは、神への冒涜なので、この判決は当然」
という声もあるようだ。
他のプッシー・ライオットのメンバーは、仲間の判決前に新しい反プーチンソングを発表した。少なくとも、10人からなるバンドは、残りのメンバーで裁判所向かいのアパートのバルコニーから新曲を演奏し、その後、大量のCDを投げたという。
プッシー・ライオットを支援する有名人
世界各地で、3人を支援する有名人が増えている。レッド・ホット・チリ・ペッパーズやスティング、ピーター・ガブリエル、ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナント、パティ・スミス、マドンナ、ジェネシス、オノ・ヨーコなどである。
ポール・マッカートニー氏は、判決前日の16日、書簡を送って支持を表明した。また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは16日までに集まった「プッシー・ライオット」釈放を求める1万人分の署名を在ロンドンのロシア大使館に届けた。
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/news3/article108690189/