内閣府の副大臣と政務官
第3次野田内閣が発足して、2週間。未だ国会の日程も見えぬまま、早くも黄信号の閣僚が出てきているようだ。有権者がより多くの情報を得るための一助として始めた連載であるが、“ある意味”動きが速く、国民も内閣をよく知る時間が足りないほどである。とにかく粛々と、閣僚のネットの発信力をリサーチする連載3回目。
今回は、内閣府の副大臣3名および政務官3名をピックアップ。白眞勲(はくしんくん)・藤本祐司(ふじもとゆうじ)・前川清成(まえかわきよしげ)・郡和子(こおりかずこ)・加賀谷健(かがやけん)・金子恵美(かねこめぐみ)の6氏のインターネットでの発信力をレポートしよう。
なお、上記6人以外の副大臣の大島敦(総務副大臣を兼任)・松宮勲(経済産業副大臣)、園田康博(環境副大臣を兼任)、および大臣政務官の稲見哲男(総務大臣政務官を兼任)・岸本周平・本多平直(経済産業大臣政務官を兼任)・高山智司(環境大臣政務官を兼任)・大野もとひろ(防衛大臣政務官を兼任)の各氏は今後、各省庁の項で掲載予定とする。
副大臣 白眞勲氏の公式サイトとブログ
まずは白眞勲の基本情報から。白氏は1958年生まれで、民主党・参議院比例区選出(2回)、内閣府副大臣である。公式サイト(独自ドメインhaku-s.net)には、青空バックのポートレートに「アジアの安定から世界平和へ」とのキャッチフレーズ。
主なコンテンツは、「決意と主張」「活動報告」「コラム」「みなさまからのご意見」。しかし、「決意と主張」は恐らくサイト開設時の2005年(コピーライトの表記)から更新していない可能性が高い。また「コラム」と「みなさまからのご意見」は、2年前の記事が最後になっている。
「意見」については、最近は意見が寄せられていないのか、更新を休止しているのかは不明だ。しかし、いずれにしても、折角政治家のHPに寄せられた意見なのだから、通常のブログのコメントのように、運営者の白氏の返信も添えるべきだろう。一方通行では、ネットにコメント送る意欲が半減するはずだ。
したがって、コンテンツのメインとなるのは「活動報告」のみである。コンテンツのトップは、本会議や視察・質問主意書など、各カテゴリーの写真を配したレイアウトとなっている。
しかし、このトップは工夫されたデザインである一方、疑問も残る。なぜなら、どこのカテゴリーに最新記事があるかがわからないからだ。“おすすめ”の見方は、どれでも適当にクリックして本文ページに進み、サイドメニューのカレンダーや「最新記事」をチェックすると早い。ちなみに、毎月上旬に更新が集中する傾向がある。
副大臣 藤本祐司氏の公式サイト
次は藤本祐司氏をリサーチしよう。1957年生まれで、民主党・参議院静岡選出(2回)、内閣府副大臣である。公式サイト(独自ドメインfujimoto-yuji.org)には、「みんなで作ろう!! 活き活きニッポン!!」が飛び跳ねる人物のシルエットを添えたロゴデザインを載せている。
主なコンテンツに、「藤本ゆうじのショートトーク」「藤本ゆうじのホンネ」そして「フォトライブラリー」がある。しかしそれ等はすべて同じ、Seesaaのサービスを利用した「藤本祐司ブログ」へとジャンプされるのみで、メニューで別々にうたっているが、ただのブログのカテゴリーである。
内容も説明がないので、意図がつかみにくいが、「ショート」は、硬軟を混ぜた意見や感想をブログとしては“長文”の記事で、「ホンネ」は、政治姿勢や主張を、「フォト」は、写真付きの活動報告。いずれもそれぞれ月1回程度なので、ブログはトータルで月1〜3回程度の更新となっている。
また、メールマガジンも行っているようであるが、バックナンバーが公開されておらず、内容や配信頻度は不明。さらにツイッターは、3ヶ月以上つぶやきが止まっているようだ。
副大臣 前川清成氏の公式サイトとブログ
3人目は、前川清成氏。1962年生まれで、民主党・参議院奈良選出(2回)、内閣府副大臣(復興副大臣も兼任)である。公式サイト(独自ドメインmaekawa-kiyoshige.net)には、「働き盛り49才、責任世代」とある。
サイト全体は、白ベースにタイトルとメニューがある程度で、シンプル。新着情報がこまめにアップしているので分かりやすい。
コンテンツのメインは「活動報告」だろう。いわゆるブログ(日記)の形式だ。時系列のスケジュールの記載とコメント、そして食事の内容も紹介しており、「政治家」の日常をのぞく感覚だ。ほぼ毎日更新している。
前川氏はツイッターも利用している。こちらは毎日1〜2回ツイート。活動報告、時事ニュースに関するコメント、HPの新着情報、そして時にフォロワーとの交流もしており、ツイッターを大いに活用している印象である。フォロワーも約3000人弱とまずまず。
大臣政務官 郡和子氏の公式サイト
4人目は、郡和子氏を取り上げよう。1957年生まれで、民主党・衆議院宮城1区選出(2回)、内閣府大臣政務官(復興大臣政務官を兼任)である。公式サイト(独自ドメインkoorikazuko.jp)には、「つくります。やさしい社会」とのキャッチコピー。
主なコンテンツは、「活動レポート」「日記」「コラム」。そのうち「レポート」は、告知や中心であり、更新は多くても月1〜2回、「日記」はほぼ毎日更新されており、日々の活動を中心にカジュアルな文章と写真で紹介。
骨太な内容は「コラム」である。月1回の更新で、政治活動の報告や意見などの記事をアップさせている。なお、郡氏はメールマガジンのポータルサイト「まぐまぐ」のサービスを利用しており、同文がメールマガジンによっても配信されている。しかし、発行部数は130部程度と、あまり振るわない。
大臣政務官 加賀谷健氏の公式サイト
5人目は、加賀谷健氏のサイトを訪問する。1943年生まれで、民主党・参議院千葉選出(1回)、内閣府大臣政務官(復興大臣政務官を兼任)である。公式サイト(独自ドメインkagaya-ken.com)のトップページは、写真とメニューのみでキャッチフレーズなどもなく、シンプル。
あえていうと、民主党のロゴの下に、小さく千葉県地図と「千葉から政権交代」とあるが、これはサイト開設時の2007年(コピーライトの表記)からの変更していない可能性もある。
主なコンテンツは「国会活動レポート」と「地元活動日記」。前者は、Exciteのサービスを利用したブログページにジャンプし、写真付きでほぼ毎日更新されている。後者はサイト内にブログを設けており、地元での活動や交流の様子を写真とコメントで月3回程度更新。
どちらの記事もテーマに違いはあるものの、主張というより日々の活動報告という雰囲気であり、軽めの内容となっている。
大臣政務官 金子恵美氏の公式サイト
最後は、金子恵美氏をリサーチする。1965年生まれで、民主党・参議院福島選出(1回)、内閣府大臣政務官(復興大臣政務官を兼任)である。公式サイト(kaneko-emi.com)には、「きっと、実現できます。安心できる国づくり」とある。
コンテンツは、「政策」「活動報告」などがある。しかし、どちらも記事はまだ作成していないようだ。サイト開設時の2008年(コピーライトの表記)に作成したと考えられる「プロフィール」や「事務所案内」があるのみのため、残念ながら訪問する人は少ないだろう。
調査総論
今回の6氏のインターネットの活用状況や発信力に関しては、副大臣の前川氏に軍配を上げようと思う。その理由はツイッター。ブログは毎日更新されているものの、読むというより、たまにさらさらと目を通すには丁度良い内容なのに対し、ツイッターは40文字以内の文章ながら、堅苦しくなく時事性があって、興味を持つ人も多いだろう。
次は、藤本・郡の2氏。更新頻度は低いものの、政治的なメッセージをしっかりと発表しており、ネットによって多くの人々に発信していこうという意思が見える。また加賀谷氏のブログは、テーマによってブログを分けており、見やすく活動を紹介しているころが評価できる。
最後は、金子氏となるだろう。現状ではほとんどネットを活用しているとは言えない。
個人的にもやはり、前川氏のツイッターは、特にツイッターをしている奈良の人ならフォローしてみるのも面白いのではないだろうか。コミュニケーションも期待できる。ツイートにも強いメッセージ性があるわけではないが、リアルタイムの話題の取り上げ方にはツイッターを使いこなしている感があり、好感がもてる。
残念ながら、金子氏のサイトは基本情報を得るという目的以外にはお勧めできないが、その他4名に関しては、政治的なメッセージをしっかりと発信しているので、有権者ならぜひ目を通しておきたいものである。いずれにしても、知ることが、政治を参加することの第一歩であり、ネットは大いに活用したいツールである。
(ライター 大久保ゆか)
白しんくんホームページ
http://www.haku-s.net/藤本ゆうじ公式WebSite
http://www.fujimoto-yuji.org/藤本ゆうじブログ
http://fujimoto-web.seesaa.net/前川きよしげ公式HP
http://www.maekawa-kiyoshige.net/参議院議員 前川きよしげツイッター
https://twitter.com/k_maekawa郡和子 公式ホームページ
http://www.koorikazuko.jp/加賀谷健のホームページ
http://www.kagaya-ken.com/かがや健・国会活動レポート
http://kagayaken.exblog.jp/かねこ恵美オフィシャルサイト
http://kaneko-emi.com/