地元の支援組織7人が犠牲に
パキスタンで、またポリオの予防接種に取り組む関係者や医師7人が殺害された。被害者は、小児マヒ予防のワクチン接種と教育キャンペーンに携わっていた女性6人と男性1人。1日、警察当局が発表した。
アラビア語メディア・アルジャジーラの情報によると、この地元の支援組織は「ポリオの予防接種を支援することを後悔させてやる」という脅迫電話を受けていたという。
12月には、ポリオのワクチン接種に取り組む関係者らが襲撃され、9人が犠牲になった。これを受けて、国際連合児童基金ユニセフと世界保健機関(WHO)は、パキスタンにおけるポリオ予防接種キャンペーンを中断した。
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by DFID - UK Department for International Development狙われる予防接種キャンペーン
これらの事件の主犯については今のところ、不明だが、タリバンや他のイスラム過激派が関与しているとみられている。パキスタンでは、国際協力組織が反政府勢力の標的にされ、事件に巻き込まれている。
なかでも、健康と教育に関するプロジェクト、特にタリバンは予防接種キャンペーンに反対していることで知られている。
背景には、2011年3月、米国情報機関がビンラディン確保のため、肝炎の予防接種という名目で行った偽の予防接種がイスラム過激派の不信感を募らせたことがある。また、ワクチン接種を口実にして、諜報活動が行われるのを危惧しているようだ。
パキスタンはアフガニスタンとナイジェリアとともに世界で小児マヒが根絶されていない上位国に数えられる。
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フォークス誌(Focus Online)
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