反大統領派「正当な憲法とは認めない」
エジプトで新憲法案の是非を問う2回目の国民投票が22日、行われ、非公式集計によると、賛成が3分の2を占め、承認される見通しとなった。投票率は30%で非常に低かった。
新憲法に反対する野党勢力の連合体「救国戦線」は、投票期間中に不正行為があったとして異議申し立てをする意向を示している。反大統領派は、有権者に対する脅しや買収といった選挙違反や投票が予定より早く締め切られるなどの選挙違反を指摘している。
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by Gigi Ibrahim新憲法案はムルシ大統領の出身母体である「ムスリム同胞団」が主導して起草。男女同権やマイノリティへの十分な権利擁護は明記されず、保守的なイスラムの価値観が反映されている。
同党メンバーは「これを正当な憲法とは認めない」と強調。新憲法案が却下されるまでデモなどの抗議行動を継続させることを明らかにした。
賛成票64%で承認へ
憲法案の是非を問う国民投票は、まず15日に首都カイロや北部アレクサンドリアなどリベラル系の強い地区で1回目の投票が実施され、賛成が56%だった。2回目の投票は22日、保守的で賛成派が優勢と見られる農村部が多い17地区で行われ、賛成が71%だった。
これにより、2回の投票を合わせた賛成票が約64%を占めた。公式結果は24日に発表される予定。
投票終了の数時間前、メッキ副大統領は、国営テレビを通じて辞任を発表。メッキ氏は辞任の具体的な理由を明らかにしていないが、新憲法案のなかで、副大統領の職について明記されていないことを指摘した。
エジプトでは、約2か月後に議会選挙が実施される。
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シュピーゲル誌(Spiegel Online)
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