両者が勝利宣言
バルカン半島の国モンテネグロで7日、大統領選挙が行われた。フィリップ・ブヤノビッチ(Filip Vujanovic)現大統領と野党が擁立したミオドラグ・ラキッチ(Miodrag Lekic)元外相との一騎打ちで、両者ともに勝利宣言を行った。
8日夜、選挙管理委員会の公式発表によると、現職のブヤノビッチ氏がわずか7000票の差で3選を果たした。得票率は51.2%、野党候補のラキッチ氏は同48.8%だった。
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Wikipediaより/by w:United States Navy選挙直後、両者ともに勝利を確信し、ブヤノビッチ氏は、自身の得票率51.3%、ラキッチ氏が同48.7%だと主張し、7日夜、首都ポドゴリツァで支持者に対し勝利宣言を行った。一方、ラキッチ氏は、97%の開票率の時点で50.5%の得票率を獲得したとして「モンテネグロの人々は、私を勝者として選んだ」と勝利を宣言していた。
選挙に関しては、不正選挙だとする数多くの苦情が寄せられたが、政府は、モンテネグロの民主主義の成熟度を証明する選挙経過だったと非難を一蹴している。
モンテネグロの大統領職
大統領の任期は5年で、3選は禁止されている。ブヤノビッチ氏は、2003年5月に初めて大統領に選出され、2006年の独立後も大統領にとどまった。2008年4月に再選されており、既に2期大統領の職にあった。
しかし、独立後はまだ1期しか大統領を務めておらず、もう1期再選できるという論理で、大統領候補に擁立されることができた。議院内閣制をとるモンテネグロでは、大統領には象徴的・儀礼的な役割だけで、政治的実権は持っていない。
モンテネグロは2006年6月、セルビアから独立し、欧州連合(EU)への加盟を目指している。2010年に欧州首脳会談において、加盟国候補に承認され、2012年から加盟交渉の開始が合意された。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
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