脱税事件で有罪判決
イタリアのベルルスコーニ元首相(76)が所有するテレビ局グループ「メディアセット」が絡む脱税事件で、ミラノ高裁は8日、第1審の有罪判決を支持する判決を下した。元首相は、昨年10月、地裁が禁錮4年と公職追放5年の有罪判決を受けていた。
ただ、2006年の恩赦法に基づき3年減刑され、実際には禁錮1年である。
脱税事件は、メディアセットが米国のテレビ番組放映権購入の際、約730万ユーロ(約9億5000万円)の脱税を元首相が主導したというものだ。ベルルスコーニ氏は無罪を主張しており、最高裁まで争うとみられる。判決確定まで収監されることはない。
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by Eddypedro新政権の安定に影響も
ベルルスコーニ氏は、高裁判決に先立ち「裁判官が中立ではない」として、管轄のミラノ裁判所をブレシアに変えるよう申し立てたが、ローマの破毀院に拒否された。
また、ベルルスコーニ氏は、「ルビー裁判」といわれる少女買春疑惑でも公判中で、13日、結審の予定。
ベルルスコーニ氏は、新首相であるエンリコ・レッタ氏をサポートしており、大連立において重要な立場にいる。今回の高裁での有罪判決が、新政権の安定に影響を与える恐れもある。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/