イスラエルが非難「シリア政府軍がサリンガスを使用」

イスラエルは、内戦が続くシリアにおいて、政府軍がこれまでにサリンとみられる化学兵器を使用していたとして非難している。フォークス誌オンライン版が24日、報じた。

イスラエル軍情報調査分析部門のブルン氏は23日、イスラエル国家安全保障研究所(ＩＮＳＳ)の会議において、「アサド大統領は、過去数週間にわたって、猛毒のサリンを複数回使用した」と指摘した。

明確な証拠は示されていないが、シリアでの犠牲者の写真について、「口から泡を吹いたり瞳孔が萎縮したりする」など、化学兵器が使用された証拠だと語った。

Image:by FreedomHouse2以前にも、シリア政府が化学兵器を使用していることが報じられており、3月25日に、英仏両国は、シリア政府軍が化学兵器を1回以上使用したことを国連に報告した。

報告では、目撃情報や土壌のサンプルの解析に基づき、信頼できる証拠が見つかったという。

北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は、「われわれは、非常にミサイルや化学兵器使用の可能性を懸念している。」とコメント。

米国務省のケリー長官は、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、「化学兵器使用の確証がない」として、現時点では、それが事実だとは言い切れない、と語った。

ホワイトハウスのカーニー報道官は、「化学兵器使用の証拠はない」としながらも、化学兵器の使用は容認できず、今後も厳しく監視していくことを強調した。

ロシアのラブロフ外相は、化学兵器使用の報告には懐疑的で、そのような情報は慎重に対処すべきだと要求した。ドイツのヴェスターヴェレ外相は、ドイツとしては独自でそのような情報をつかんではいないが、少しでも疑いがあれば、国際社会に明らかにするべきだと述べた。



フォークス誌（Focus Online）
http://www.focus.de/politik/ausland/

シュピーゲル誌（Spiegel Online）
http://www.spiegel.de/politik/ausland/