絶対安定多数に届かず
ドイツ総選挙は22日に投開票が行われ、アンゲラ・メルケル首相率いる与党・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が議席のほぼ半数を獲得して、大勝した。絶対安定多数にはわずかな差で届かなかったものの、メルケル首相の3期目が確実となった。独メディアが一斉に報じた。
選管当局の公式発表によると、CDUは41.5%(+7.7)の得票率で311議席を確保した。社会民主党(SPD)は25.7%(+2.7)で192議席、自由民主党(FDP)は4.8%(-9.8)で議席なし。左翼党(Linke)は8.6%(-3.3)で64議席を獲得、緑の党(Gruene)は8.4%(-2.3)で63議席である。
ユーロ解体を掲げた新党「ドイツのための選択肢(AfD)」は4.7%(+4.7)、海賊党(Piraten)は2.2%(+0.2)で、両党とも議席を得ることはできなかった。連立パートナーであったFDPは、1948年の政党結成以来、初めて連邦議会での議席を失った。投票率は71.5%だった(2009年:70.8%)。
連立パートナーは誰に?
得票率41.5%は、CDUにとって過去23年間における最高値である。メルケル首相は党本部で「今日は勝利を祝いましょう。そして、明日からまた政務に励みましょう。」と喜びを語った。
単独での過半数確保には届かなかったため、今後、連立交渉が最大の焦点となる。シュピーゲル誌オンライン版など独メディアは、最大野党のSPDとの大連立になる可能性が高いとみている。だが、CDUのなかには、大連立に不安を抱えているものも多いという。
他の可能性としては、緑の党との「黒-緑」連立もある。実際にCDUの戦略家のなかには、緑の党との連立の方がSPDとの大連立よりも安定するとの考えもあるようだ。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/キリスト教民主同盟(CDU)のホームページ
http://www.cdu.de/