社会民主党の勝利と極右・自由党の躍進
オーストリアで29日、国民議会選(下院、定数183)が行われた。選管の暫定公式結果によると、ヴェルナー・ファイマン首相率いる中道左派の社会民主党(SPÖ)が得票率27.1%(-2.2)で第1党を維持した。シュピーゲル誌オンライン版が30日、報じた。
SPÖの連立パートナーである中道右派の国民党(ÖVP)は、23.8%(-2.2)を獲得し、第2党にとどまった。極右政党である自由党(FPÖ)は、2008年よりも3.9ポイント増の21.4%で、前回に引き続き第3党となった。緑の党(Grüne)は、11.5%で第4党。
ただし、この暫定結果には郵便等による不在者投票の結果が含まれていない。有権者の10%が、書類請求を行ったという。投票率は65.9%(29日22時現在)。
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by Werner Faymann欧州懐疑派の「チーム・シュトロナハ」が躍進
他には、自動車部品大手マグナの創設者、フランク・シュトロナハ氏が昨年設立した欧州懐疑派の「チーム・シュトロナハ」が5.8%を獲得し、初めて議席を獲得。親ユーロの新党「Neos」も4.8%で、議席獲得に必要な4%を超えた。
獲得議席は大連立政権を組むSPÖが53議席(2008年:57議席)、ÖVPが46議席(同:51議席)である。FPÖは42議席(同:34議席)、緑の党は22議席(同:20議席)、「チーム・シュトロナハ」は11議席、「Neos」は9議席。前回10.7%で21議席を持っていた未来同盟(BZÖ)は3.6%しか得られず、議席を失った。
大連立与党にとって戦後最悪の結果となったものの、両党合わせた得票率は50.9%で、99議席を獲得。過半数に必要な92議席をかろうじて上回った。ファイマン首相は、選挙前から、国民党(ÖVP)と連立を継続する意向を示していた。任期は5年。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/オーストリア国民議会のホームページ
http://www.parlament.gv.at/