45人の応募者を想定
シチリア島の南に位置する地中海の島国マルタが、欧州連合(EU)加盟国以外の人々にマルタ国籍を65万ユーロ(約8,700万円)で提供すると発表した。独メディアが13日、報じた。
この計画案は12日、議会で採択されたという。同国のジョゼフ・ムスカット首相は、「国籍を販売することによって、国に新たな収益をもたらし、裕福層をわが国に取り込むことができる」と、この計画案の利点を語った。
政府は最初の年に45人の応募者を想定している。その場合、2,925万ユーロ(約39億1,100万円)の収入となる。その後、年間200~300人の応募者が見込まれるとみている。政府側によると、申請者の審査は十分に行われ、犯罪者らは完全に排除されるようだ。
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Malta - Paradise beach/by ramonbaile野党は国民投票を検討
マルタは小国ではあるが、EU加盟国であり、シェンゲン協定にも参加している。マルタのパスポートを入手できれば、EU圏内およびスイスやノルウェー、アイスランドでも就労・居住できるのである。
野党は、応募者がマルタに住む必要もなく、島に投資する必要もないこの計画を猛烈に批判。国民党は、カリブ海の「租税回避地(タックスヘイブン)」と比較されることを恐れている。そこで、国民投票の実施を検討しているという。
マルタの国籍販売モデルは、財政赤字を抱える国において、有用な例として役に立つ可能性がある。マルタ政府によると、スペインやポルトガルが、同様の計画を立てているという。キプロスはすでにパスポート取得と引き換えの投資家を募集している。
マルタ首相府のホームページ
https://opm.gov.mt/en/Pages/primeministerhome.aspxdie Presse Malta: EU-Staatsbürgerschaft für 650.000 Euro
http://diepresse.com/politik/eu/