シン首相、首相職退任の意向
インドのマンモハン・シン首相(81)は3日、新年の演説で「5月に実施される予定の総選挙後に新しい首相にバトンを渡す」と述べ、首相職から退く意向を表明した。Indien Aktuellや新チューリッヒ新聞などが3日、報じた。
与党・国民会議派の後任首相候補については、党副総裁で名門ネール・ガンジー家の御曹司ラフル・ガンジー氏(43)を推す考えを示した。
シン政権の9年間
2004年のインド総選挙で国民会議派がインド人民党を破って第1党となり、ソニア・ガンジー総裁の代わりにシン氏が首相に就任。
シン政権の9年間で、インドは記録的な経済成長をしており、2005~2007年の実質経済成長率はいずれも9%台の高い水準に達している。また、貧困対策にも力を注ぎ、貧困ライン以下の人々の数も減少したという。
総選挙の行方
ただ、国民会議派は汚職批判により、世論調査でも総選挙で勝利する可能性はほとんどないとみられている。反対に、最大野党・インド人民党(BJP)の首相候補であるナレンドラ・モディ氏のもと、インド人民党の勢いは増している。
モディ氏の人気に対し、シン首相は、「モディ氏が首相になれば、悲惨なことになる」と警告。シン首相は、グジャラート州首相であるモディ氏が、2002年に同州で起きたイスラム教徒虐殺事件で「十分な対応を取らなかった責任がある」と非難。
総選挙の前哨戦として昨年12月にデリー首都圏などで行われた地方議会選挙では、インド人民党や新党に惨敗した。
Indien Aktuell:Parlamentswahlen in Indien
http://www.indienaktuell.de/36037/新チューリッヒ新聞:Ein Greis macht Wahlkampf
http://www.nzz.ch/aktuell/international/auslandnachrichten/Prime Minister’s Office
http://pmindia.nic.in/