外務報道官談話を発表
外務省が5月2日、シリア大統領選について外務報道官談話を発表した。そのなかで、6月3日に実施予定の大統領選により、政府側と反体制派の直接対話の道が閉ざされることに懸念を示した。
両者が初めて直接対話の場についたのは今年1月22日に行われた「ジュネーブ2」会議。会議には米国をはじめ、英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国、アラブ諸国等39カ国が参加した。シリア政府からはムアッリム外相、反体制派からはシリア国民連合のジャルバー議長らが出席した。
(画像はイメージです) Image:
by FreedomHouse立候補者はアサド大統領ら24人
大統領選への立候補の受け付けは1日に締め切られ、最終的に、アサド現大統領を含む24人が立候補を届け出たもよう。憲法および選挙法に基づき、2日から高等憲法裁判所により立候補届が念入りに審査される。立候補者の適否は5日間以内に発表される予定。
国内に居住するシリア国民は6月3日に投票を実施。国外に居住するシリア国民は各国大使館にて5月28日に投票が可能ということだ。
ジュネーブ・コミュニケの全面的履行を
外務省は、シリア情勢の安定化には2012年6月30日のジュネーブ・コミュニケの全面的履行にあると考えている。同コミュニケは、以下の3点を含む。
・シリア政府、反体制派およびその他のグループの相互同意に基づく移行的な統治主体の確立
・憲法の起草と国民投票による承認
・自由、公正かつ複数政党による選挙の実施
(外務省・シリア大統領選挙についてより引用)
談話では、シリア紛争には政府と反体制派による当事者同士の対話が不可欠として、直接対話の早期再開、また、政治的解決により情勢が安定することを望むという考えが示された。
外務省 シリア大統領選挙について(外務報道官談話)
http://www.mofa.go.jp/page4_000456.html