新しい時代の始まり
トルコで10日、同国初の直接投票による大統領選が行われた。選挙管理委員会の発表によると、エルドアン首相が半数を超える得票率52%で勝利した。ドイツ国営放送ARDターゲスシャウが11日、報じた。
2位につけたのはイフサンオール候補で得票率は38.5%。同氏は選挙で不正があったと批判しているが、同時にエルドアン氏を祝福した。3位はクルド少数民族のデミルタシュ候補で9.7%の得票率だった。
Image:
Recep Tayyip Erdogan/by theglobalpanoramaエルドアン氏は勝利について、「今回の選挙で勝利したのは私だけではない。国民の意思の勝利であり、民主主義の勝利である。」とコメント。また、「新しい時代」の始まりと「過去の紛争」を解決することを約束した。
投票率は77%
今回の選挙では、国内の有権者5300万人だけでなく、海外に住むトルコ人有権者約280万人も投票に臨んだ。投票率は77%と過去10年間で最低である。
選挙結果の分析によると、エルドアン氏は保守的なイスラム色の強いアナトリア地方やイスタンブールなどの大都市で約53%の得票率を獲得。農村部での得票率は約80%だったという。
大統領の権限拡大を狙い憲法改正か
エルドアン氏は、2003年から首相を務めている。大統領の任期は5年で、少なくとも2019年まで大統領職に就くこととなる。だが、大統領は再選可能で2024年までトルコの実権を握る可能性がでてきた。
ただ、トルコの大統領は法案や人事に関する拒否権はあるものの、実質的な行政権はない。そこで、エルドアン氏は今後、憲法を改正して大統領の権限拡大を進めると見られている。大統領就任式は8月28日に行われる予定。
ドイツ国営放送ARDターゲスシャウ
http://www.tagesschau.de/ausland/wahl-tuerkei-121.html