ドネツク、ルガンスク両州で独自選挙実施
ウクライナで10月26日、議会選挙が行われ、新欧州派の4政党が過半数の支持を獲得し、政権維持が決定した。だが、親ロシア派が制圧する東部やロシアが編入したクリミア半島では、投票をボイコットし、独自の指導者を選ぶ選挙が実施されることとなった。
11月2日、親ロシア派が掌握するウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州の一部の地域で、独自の指導者と議員を選ぶ選挙が行われた。
開票の結果、ルガンスクでは「ルガンスク人民共和国」の指導者イーゴリ・プロトニツキー氏が得票率63.8%を獲得。ドネツクでは「ドネツク人民共和国」の首相を名乗るアレクサンドル・ザハルチェンコ氏が得票率75.63%で、それぞれの「元首」に相当する首長選で当選した。ツァイト誌オンライン版が3日、報じた。
各国の反応
今回の選挙を巡っては、国際選挙監視団は選挙を認めない意向を示している。ウクライナのポロシェンコ大統領は選挙自体を「茶番」だと批判。また、選挙を違法だとし、無効であると強調。
欧州連合(EU)と米国も違法との見解を示している。ドイツのシュテフェン・ザイバート政府報道官は、自称「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」での選挙は“非合法”なものだと指摘した。
また同氏は、選挙はウクライナ憲法に違法するものであり、ウクライナ政府と親ロ派が9月上旬に合意した「ミンスク合意」に違反すると非難した。
一方で、ロシア外務省は「選挙で選出された代表者に権限を付与すべきだ。そうすることで、紛争地域に安定性をもたらすことができる」との声明を発表。
親ロ派は、今回の選挙によりウクライナからの分離が決定的になったと強調。また、ドネツク州の選挙管理委員長は
「気に入ろうが、気に入るまいが、もはやドネツクはウクライナではない」(ツァイト誌より引用)
と断言した。
(画像はイメージです) Image:
Wikipediaより/by Butkoツァイト誌:Separatisten bestätigen prorussische Wahlsieger
http://www.zeit.de/politik/2014-11/ukraine-wahl-separatisten