北海道大学の学生を事情聴取
イスラム過激派組織イスラム国(IS)がシリア北部の少数民族・ クルド人勢力の村を相次いで制圧していき、戦略的に重要な町コバーニも陥落寸前である。イスラム国の勢いが増すなか、日本でもイスラム国に参加するために、シリアに渡航しようとしていた日本人学生(26)が事情聴取を受けていることが明らかとなった。
警視庁公安部によると、この人物は北海道大学に在籍するイスラム教徒の学生で、今月7日に日本を出国し、シリアに渡航する計画を立てていたという。関係者からの情報提供があり、内偵を進め、大学生のパスポートを差し押さえたようだ。
大学生は「イスラム国に加わり戦闘員として働くつもりだった」と話しているという。
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by FreedomHouse(画像はイメージです)
ネットを駆使した戦闘員の勧誘
イスラム国には、周辺のアラブ諸国だけでなく、欧米からも多くの若者が賛同し、集結している。戦闘員の出身国は80カ国を超えるともいわれている。戦闘員の勧誘手段の一つである電子版の広報誌「ダービック」は、英語やドイツ語、フランス語、ロシア語などで書かれており、ネットで世界に向けて発信されている。
情報によると、日本国内でも英語などによる情報をネットから入手し、Twitterなどでイスラム国への共感を表明している日本人もいるということだ。
ドイツでは「ジハード・ツーリズム」対策を計画
ドイツでも今年に入って、少なくともドイツ国籍を持つ20人がジハードに参加するためにシリアに向けて出国するところを阻止されたことを7日、シュピーゲル誌オンライン版が報じた。ドイツ当局によると、その数は2008年以降、68人にも上るという。
デメジエール内相は、いわゆる「ジハード・ツーリズム」を阻止するために、ドイツとアラブの紛争地域間の出入国を制限することを発表。疑わしい人物の身分証明書やパスポートを差し押さえ、代替の証明書を発行する意向を示した。
計画では、外国人籍やドイツ国籍、また、ドイツとの二重国籍を持つ450人ほどが対象となっているという。
シュピーゲル誌/Deutsche IS-Sympathisanten: Mindestens 20 Islamisten an der Reise nach Syrien gehindert
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/995716.html