二本松市で暫定規制値を超える放射性セシウム検出
福島県は12月7日、二本松市旧渋川村で生産された平成23年産米で、暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたことを発表した。12月6日に二本松市が、二本松市旧渋川村で生産された玄米を分析した結果、暫定規制値を超える値が検出され、市からの連絡により、この生産者の玄米をサンプリングし、県農業総合センターで分析を行った結果、暫定規制値を超える780ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されたという。
当該水田のコメは、生産者の自宅や近隣農家に全量保管されており、出荷されておらず、一般に流通はしていないとしている。
「米の放射性物質緊急調査の結果」の第5報を発表
福島県では、これとは別に、12月7日、「米の放射性物質緊急調査の結果」の第5報を発表しており、「今回の結果」として、 福島市大波地区(旧小国村)で、分析点数1,030(農家36戸)中、新たに63点が超過したことを明らかにしている。
*表は「緊急調査の結果」第5報より(福島市旧小国村)
大波地区(農家154戸)での累計分析点数は4,693(農家138戸)で、超過点数は263(農家15戸)となっている。また、大波地区のコメについては、
「流通状況調査(第4報)」で全農家154戸分の全てが「一般消費者には販売されていないことを確認した」とされている。
「緊急調査」では、今後の対応として、
(1)暫定規制値を超えた玄米は隔離・保管する。
(2)引き続き緊急調査を実施する。
としている。
500ベクレル以下のコメは出荷制限を解除する?
政府は、暫定規制値500ベクレル/kgを超える「出荷制限した米の取扱い」として
としている。しかし、「安全宣言」後、暫定規制値を超えるコメが大波地区で出ると、
と当初の方針の変更を示唆した。「暫定規制値を超えた玄米は隔離・保管する。」というのは、その他のコメの出荷制限解除を前提としたものなのだろうか。本調査では全ての検査結果やベクレル数値の分布が公表されたが、今回の「緊急調査」検査では、暫定規制値以下のデータはなぜか明らかにされない。
本調査(旧小国村:4品検査/検出せず~22ベクレル/kg)と緊急検査(~1,270ベクレル/kg)の汚染の数値が「恐ろしく」かけ離れていて、暫定規制値以下でも、500に近いコメが少なくないのでは?と思われてもしかたがないだろう。
現在、食品衛生法の暫定基準の見直しが行われている。出荷停止を解除し「食べて応援」とアピールするなら、個々の数値か汚染度を米袋に表示して欲しいと願う消費者も多いのではないか。
福島県 「暫定規制値を超えた放射性セシウムが検出された玄米について」福島県 「放射性物質緊急調査の結果(第5報)について」