2011年の死刑執行者はゼロ
2011年に死刑が執行された人はいなかった。これは1992年以来19年ぶりのことである。12月29日~1月3日までは死刑が執行されない旨を刑事収容施設法で定めていることもあり、2011年の死刑執行者0人は確定している。
2011年12月27日現在、死刑が確定しているけれど死刑が執行されていない未執行者の数は130人程度と戦後最多となっている。
刑事訴訟法上は、判決が確定の日から6か月以内に死刑を執行しなければならないとなっている。しかし実際は、死刑執行の時期や対象者は、最終的に執行の押印をする法務大臣の判断に委ねられている。
死刑存廃をめぐる動向
前任の法務大臣である江田五月氏が、異例の死刑執行停止を宣言した。現在の法務大臣である平岡秀夫氏もこの姿勢を踏襲している。
では犯罪被害者は死刑の存廃についてどのように考えているのだろうか。この点については犯罪被害者の間でも考えが分かれている。
たとえば多くの被害者を出したオウム真理教の事件の被害者の中でも、早く死刑を執行してほしいと望む声と、松本死刑囚以外の死刑執行を望む声とがある。
裁判員制度が導入され、次々と死刑判決が出されている。このことを考えると、死刑制度の在り方を法務大臣1人が抱え込むのではなく、国会の場でしっかりと審議すべきではなかろうか。
法務省
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