選挙への不安
フィリピンの政府発表によるとフィリピンは来る5月10日に行われる正副大統領と上下両院の選挙において電子投票システムを導入するそうだ。今まで評判の悪かった
不正防止と開票作業の遅延解消が狙いだが、テスト段階でトラブルが相次ぎ、実施まで3カ月を切った選挙へ不安を残している。
フィリピンでは今までの選挙で一部報道機関で報道されていたように投票箱の略奪や不正集計が頻繁に行われていたそうだ。このような事態が電子システムを利用することにより解消されると選挙管理委員会は「電子投票により不正行為を防げる」と述べている。04年の前回選挙で約40日かかった当選者の公式発表までの期間を、シミュレーションでは36時間以内に短縮できたとしている。
導入への課題
電子投票はマークシート式で、投票所で機械に用紙を読み込ませるそうだ。このシステムはベネズエラの国民投票などで実績があるオランダ企業と比企業の連合体が約140億円で作成した。読み取られたデータは投票終了後、各投票所から無線LANなどインターネットや衛星電話で本部へと送信され処理される。
しかし、実運用を見越したテストでは、
ネット回線が不安定で送信できないトラブルが多発。1枚の投票用紙に多数の名前が印刷される事態となった。このため、データがうまく読み込めていないのではないかとの見方もある。
運の悪いことに先月には電波障害を起こす機器大量に輸入されたことが判明。だれが、何の目的で輸入したのかは不明だが、投票結果のデータ送信の妨害を狙った可能性も指摘されている。
フィリピン政府広報