カナダのニュースサイト thestar.comによると、アナログからデジタルへの移行は選挙も例外ではない。昨年、カナダの連邦選挙管理局の担当官達は特に若年層での投票率増加という潜在的なメリットを挙げて、オンライン投票の試行の可能性について検討した。
インターネット投票の利便性に関してはそれなりの魅力がある。投票率の増加やコスト削減、速やかな結果報告などである。
ネット投票の危険性
しかし、インターネット投票の試行に飛びつく前に、危険性を見過さないようにしなければならない。
サービス妨害攻撃による選挙の停止、偽造ウェブサイトの出現、フィッシング詐欺、選挙システムのハッキング、選挙結果を改ざんするようなコンピューターウィルスの組み込みなどである。
ネット投票の課題
これらの懸念は実際の経験にもとづいている。ドメイン名のシステムを管理するICANNは2000年に取締役選出の為のオンライン役員会を実施した。しかし結局システムの技術的な弱点により、セキュリティや秘密性への問題点を露呈した。
カナダの事例は地方自治体選挙に限られている。オンタリオのいくつかの地方自治体では地域住民が自宅でインターネットから投票することが可能になった。しかし、もしセキュリティに懸念があるならば、州レベル、連邦レベルのインターネット投票は時期尚早であろう。投票率を上げることにばかり目を向けていると、選挙の有効性を損なう恐れがある。
http://www.thestar.com/news/sciencetech/technology/lawbytes/article/776382--geist-hackers-viruses-threaten-online-voting-validity