ロイター通信によると、5月に予定された英国総選挙を控えて、英国Brunel大学による選挙区レベルでの選挙運動手法の世論調査が実施された。約1,000人にインタビューした結果、現時点で政治家が有権者にコンタクトする最も一般的な手法は、郵送であった。
有権者の27%が2月中に3大政党のいずれかからコンタクトされており、約9割はダイレクトメールを通したコミュニケーション形態でコンタクトを受けていた。
ソーシャルメディアの活用度合いは?
Brunel大学のJustin Fisher氏によると、今回の選挙は英国初の新しいメディアでの選挙であるといわれており、実際にEメールやFacebookが利用されてはいるものの、従来の選挙運動方法は依然として優位を占めているようである。
彼は以下のように述べている。
ソーシャルメディアについて言えることは、これらのメディアは従来の選挙運動の形態を拡大したり補完したりしているかもしれないが、従来の形態に取って代わりつつあると考えるのは、少なくとも今の段階では実態を反映していないようだ。
主要三党の選挙運動状況
保守党は第一党となる為には116議席が必要で、最も積極的に選挙活動を行っており、世論調査対象者の60%に対して何らかの働きかけを行っていた。一方、労働党は44%、自民党は43%であった。
この調査によると、電話を最も多く利用したのは労働党で、ダイレクトメールをもっと多く利用したのは保守党、Eメールを最も利用したのは保守党であった。
また、自宅訪問を最も多く行ったのは労働党で、調査対象者の12%が労働党の自宅訪問があったと答え、保守党、自民党から訪問があったのは、それぞれ10%、7%であった。
選挙運動の本質とは
しかし、過去の選挙から明らかなのは、選挙結果に結びつけるためには単に資金と人手に頼るだけでは不十分で、いかに集中的で組織だった選挙運動ができるかが重要になるということである。
今回の調査で、従来の選挙運動の手法が根強く残っていることがわかったが、ソーシャルメディアなどを利用した無料の選挙運動の効果と比較して、お金をかけた運動の効果は相対的に低くなるか失われつつある、とFisher氏は述べている。
Old traditions die hard in UK election campaigning
http://blogs.reuters.com/great-debate-uk/2010/03/29/old-traditions-die-hard-in-uk-election-campaigning/